[宇宙の記憶 / 坂本真綾]重厚な世界にふんわりとした味わいのミスマッチ

オープニング主題歌

軽快なドラムに、陽気な管楽器、そしてつぶやくようなボーカル。一日の終わり、小さな光だけが灯る部屋で、心をリラックスさせながら耳を傾けたい。お酒のグラスを片手に、肴として味わいたい。そんな一曲です。

ところが、歌詞に注目してみると、「宇宙」ときた。「人間」ときた。「太古」ときた。ほろ酔いの、かすんだ意識で聴いてはいけないほど、あまりにスケールの大きな世界が構築されています。人生の機微、浮き沈み。この世の真理に思いをはせるような、したがって軽率な気持ちでいることは許されないような貫録を持っています。歌詞がつくり出す重厚な世界と、音が織りなすふんわりとした味わいは、あきらかにミスマッチ。でも、だからこそ、ミスマッチの妙が利いています。硬軟をいっしょに噛みしめるからこそ味わえる奥深さ。それが本作の魅力です。

タイトル宇宙の記憶
アーティスト坂本真綾
作詞椎名林檎
作曲椎名林檎
編曲椎名林檎
アニメ『BEM』

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA