[Beautiful World / 宇多田ヒカル]気分が沈んでいる相手を温かく見守る歌

エンディング主題歌

ボーカルは、なにか切ない想いを訴えたいような情感にあふれているのだけど、伴奏はそれを後押しするような曲調ではなく、どこか明るさとか軽さをまとっています。ボーカルもそこまで深刻な事態には陥っておらず、ささやかな願いを吐露しただけなのかもしれません。心にはまだまだ余裕があって、のっぴきならない状態ではないようです。

むしろ、心にゆとりがないのは、この歌が語りかける相手のほうなのかもしれません。相手は、悲しみや絶望に打ちひしがれています。いや、そこまでシリアスではないにしても、気分が沈んでいる。元気が少なくなっている。そんな相手を温かく見守ろうとする気持ちが、少し明るい曲調に表われています。

「世界」がどうなってしまうかわからない、という物語のアニメの主題歌だけれども、本作の「世界」はそんな大仰なものではなくて、いわば自分のなかにある「世界」。自分の足元に目を向けています。とはいえ、自分の心のありようが、他人の暮らす「世界」をカタチづくっているともいえそうです。

タイトルBeautoful World
アーティスト宇多田ヒカル
作詞宇多田ヒカル
作曲宇多田ヒカル
編曲宇多田ヒカル
アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

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