[衝撃 / 安藤裕子]歌っているのは死者か生者か
エンディング主題歌
これは、死者の国から届いた聲なのか。それほどまでに本作の歌声には儚さが漂っています。水面に浮かんでも、すぐに水の底に沈んでしまうような切なさ。歌い手はすでにこの世のモノではなく、肉体は塵と化している。いまある想いとは、自分が生者だったころへの憧憬のみ。そんなイメージが頭に浮かんできます。
朧げな歌だなと感慨にふけっていると、ボーカルの存在が高まってきて、ちょっとした驚きが生まれます。もしかして生きているのか? 肉体は滅んではおらず、確固たる存在として地に足をつけているかもしれない。生と死の狭間にいて、いままさに“向こう側”に行こうとしていたが、踏みとどまり、こちら側に帰ってきた。そんなふうに考えると、サビの力強さに胸を打たれるような感動があります。むしろ生者の応援歌のような前向きさも感じとれる気がするのです。
タイトル●衝撃
アーティスト●安藤裕子
作詞●安藤裕子
作曲●Shigekuni
編曲●Shigekuni
アニメ●『進撃の巨人』
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