[魂のルフラン / 高橋洋子]安心感と不安感のアンビバレントな心情に浸れる
エンディング主題歌
「私たちはどこから来てどこへ行くのか」「私たちはどこで生まれたのか」「私たちはなんのためにこの世界に生きているのか」。そんな永遠に答えの出ない問いに考えをめぐらせざるをえないような、壮大なイメージの楽曲です。考えることを強要されているわけでもなく、ただ楽曲の世界に身を委ねてもよさそうなのですが、難解な歌詞がそれを許しません。
「私に還りなさい」と呼びかけている——いや、命令しているのはだれなのか? いくら考えても正解はわからないのだけど、とらえどころのない、とてつもなく大きな存在に自分は生かされている。そんな幻想が頭に浮かんできます。本作の刻むリズムは速く、落ちついて耳を傾けるといった感じでもないのに、歌詞が紡ぎ出す世界に意識を向けると、不思議な安心感も生まれます。一方で、ほんとうに身を委ねてもいいのかという不安もあります。そんなアンビバレントな心情に浸れるのが本作の魅力です。
タイトル●魂のルフラン
アーティスト●高橋洋子
作詞●及川眠子
作曲●大森俊之
編曲●大森俊之
アニメ●『新世紀エヴァンゲリオン』
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