[Wild Side / ALI]辛いときこそ明るく歌え
オープニング主題歌
鍵盤を爪弾くような軽快なリズムに、管楽器の透明な音色が乗ります。心が躍るような音場を構築するように見せかけながら、歌詞で表現しているのは、〈楽しさ〉より〈苦しさ〉という気がします。苦悩しているからといって、傷口が広がるような楽曲を奏でてはいけない。辛いときこそ胸を張れ。つとめて明るくふるまえ。それが処世術なのかもしれません。
「苦しさを吹き飛ばすための歌」と本作をとらえるのは早計かもしれません。この歌を歌い、あるいは聴くことそのものが〈楽しさ〉なのです。
ボーカルが気怠そうなのは、諦めの境地に達しているせいかもしれません。だから、クライマックスの盛りあがりが映える。そこで力を振りしぼり、もう一度立ちむかおうとする態度が読みとれます。そんな気持ちの変化を祝福するように伴奏も力を増していく。その緩急が聴く者に心地よさを与えてくれます。
タイトル●Wild Side
アーティスト●ALI
作詞●Leo・Jua
作曲●ALI
編曲●ALI
アニメ●『BEASTARS』
この記事へのコメントはありません。